• 2022.02.03
  • Trend Report

イスラエルで画期的な研究成果をあげた研究者が起業する場合、政府が事業予算の85%、最大で約13000万円を交付する。残りは「インキュベーター」という企業支援会社が融資して会社設立の手続きも代行。「研究者は研究開発に集中できる」(デロイトトーマツグループの池田秀斗氏)

創業したばかりの企業に国内外の民間ベンチャーキャピタル(VC)の資金を誘導する仕組みもある。政府がVCと共同出資し、事業が軌道に乗ってからVCに割安な価格で譲る。VC投資額の対GDP比率は2%と主要国でシンガポールに次いで高い。韓国もこうしたイスラエル方式を導入した。

イスラエルにイノベーション庁という司令塔があるのに対し、日本は文科省と経産省、さらに株式上場などは金融庁といった縦割りが根強い。10兆円ファンドの総論は内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)で議論が進められてきたが、具体的な資金使途など各論はどうか。研究シーズから成長投資まで途切れない政策展開が求められる。