• 2023.05.11
  • ロボット・AI・製造関連技術

Smart Logistics Technologies from Israel

物流(ロジスティクス)は、業界を問わず、商品のサプライチェーン管理において重要な役割を担っています。どのようなビジネスにおいても、顧客は常に迅速で完璧なサービスを求めています。効率的な物流管理は、顧客との関係に直接影響するため、あらゆるビジネスの成功に重要な役割を果たします。Allied Market Researchによると、2017年、世界の物流市場は7兆6412億ドルと評価され、2027年には12兆9756億ドルに達すると予測されています。

Startup Nation Centralによる当産業分野に関するレポートでは、イスラエルにはこの産業のさまざまな側面に関わる150以上のスタートアップ企業があり、最先端のテクノロジーを採用して、商品が迅速かつ効率的に配達されるよう支援していると言及しています。DSV – Global Transport and Logisticsとのコラボレーションにより、当分野における新進気鋭の革新的な企業の詳細を示すインタラクティブなランドスケープが作成されました。


以下に、当分野で活躍するイスラエルの革新的な企業を抜粋してご紹介します。

■ Caja Robotics

Caja Roboticsは、洗練されたソフトウェア及びロボティクスを組み合わせた自動化技術を提供し、倉庫に於ける管理の迅速化に貢献します。

このシステムは、迅速な配送を必要とするeコマース小売業者の効率を向上させるために設計されています。

Cajaのソリューションは、事前のインフラを必要としません。このソリューションは、ダイナミックな倉庫構造を可能にする特許取得済みのビンや、専用のロボットをベースにしています。

■ infiniDome

infiniDomeは、無線通信を妨害攻撃から保護するフロントエンド・サイバー・ソリューションを提供しています。同社のGPS保護ソリューションは、ドローンなどの無人システム、車両群、重要なネットワーク、防衛アプリケーションの心臓部であるGPSシステムを守るために設計されています。

infiniDomesの特許取得済みのアンチジャミング技術は、同社のパートナーや代理店の世界的なネットワークを通じて展開されます。

■ Loginno

Loginnoは、船会社と提携し、コンテナ船団をIoT対応船団に変えることで、特許取得済みの低価格デバイスを使用して貨物や航海のデータを収集します。情報アクセスは、クラウドベースのサービスを通じて、運送会社、貨物所有者、貨物輸送業者、保険会社、税関、その他の関係者に付与されます。

2019年、Loginnoは、Loginnoの技術を使用してコンテナ船団全体をスマートコンテナに転換する船会社のパートナーとして、Log-In Logistica Intermodalを選択しました。

■ Bringg 

Bringgは、企業が複雑な配送業務を効率的に管理できるようにする配送物流ソリューションです。同社は、配送エコシステムのためのリアルタイムのロジスティクス機能を提供します。

小売、食料品、レストラン、消費財、物流、ヘルスケア、サービス業界の企業は、Bringgの技術を利用して、最高の効率を実現するための物流業務の合理化と、顧客にとって最適な配送体験の実現を支援しています。

Bringgを利用することで、企業は、配送エコシステム内のすべての参加者のニーズをバランスよく満たす、コスト効率の高いオペレーションを成功させることができます。

同社は、「食品小売業におけるクールベンダー」の1社に選ばれました。また、 ガートナー・リサーチ・グループによる「Catering to New Customer Lifestyles, 2020」に選出されました。

■ Highcon Systems

Highcon Systemsは、紙器業界向けのデジタル切断機と折り目付け機を開発・販売しています。同社の機械は、Digital Adhesive Rule Technology(DART)と呼ばれる独自技術に基づいており、従来の金型を必要とせず、高品質で複雑なパッケージの製造を可能にしています。そのため、従来の金型製作に伴う高いコストをかけることなく、新しいデザインを迅速かつ容易に製作したり、既存のデザインを変更したりすることが可能になっています。

コカ・コーラ、ユニリーバ、プロクター・アンド・ギャンブルなど、世界有数のブランドで採用されているマシンです。

■ AutoFleet

AutoFleetのプラットフォームを利用することで、フリートマネージャーのVehicle as a sercive プロバイダーへの移行が可能となります。フリートマネージャーは、需要の集約、供給のコントロール、乗車の最適化によって、収益とマージンを最大化し、車両の利用率を向上させることができます。

AutoFleetのプラットフォームは、高度な機械学習モデルを活用して、リアルタイムの需要予測、メンテナンス/サービスタスクの自動生成と管理、最適な配車とルーティング、動的価格設定を行い、既存のフリートがより効率的になるように支援します。頑丈で自動化されたルーティングとディスパッチエンジンにより、配送/物流サービス、旅客輸送、フィールドサービス業務のすべてを単一のプラットフォームから即座に最適化することができます。

■ Freightos

Freightosは、国際貨物輸送のためのデジタルマーケットプレイスを提供するテクノロジー企業です。複数の貨物輸送会社の価格、輸送時間、輸送オプションを比較し、オンラインで輸送を予約・追跡できるプラットフォームを企業に提供しています。また、運賃の自動管理、リアルタイムの追跡と分析、文書管理など、企業の貨物業務を支援する一連のツールやサービスも提供しています。

同社は、あらゆる規模の企業にとって、世界貿易をよりシンプルに、より透明で、より効率的にすることを目指しています。

■ Navigator II

Navigator IIは、イスラエルの海事専門ベンチャーキャピタルであるtheDOCKが運営する投資ファンドです。海運や港湾オペレーション、サプライチェーンなどの海事関連事業で、屋外位置検知ソリューションや海洋のCO2除去ソリューションなど、最新テクノロジーを活用した新たなサービスを創出する有望なスタートアップ企業へ投資しています。

また、日本郵船株式会社、オリックス株式会社等日本企業も同社へ出資しています。

詳しくは各プレスリリースをご覧ください。

イスラエル・海事専門ベンチャーキャピタルが運営する投資ファンドへの出資契約を締結 | 日本郵船株式会社 (nyk.com)

イスラエルのベンチャーキャピタルが運営する 海事テックファンド「NavigatorⅡ」へ出資│オリックス株式会社 (orix.co.jp)

■ ORCA AI

OCRA AIは、船舶の見張り業務をサポートする「船舶自動物標認識システム」を開発しました。このシステムは昼夜を問わず撮影が可能なカメラユニットを利用して船舶や物標を自動で認識、物標までの距離を計測し、レーダーやAIS等の航海計器から取得した船名や他の船舶と最も近づく際の距離や時間等の情報を重ねて、付属のタブレット又はタッチパネル式のモニターディスプレイ上で統合表示する事が可能です。加えて、レーダーでは捕捉されず、AISも搭載していない小型漁船や小物標についても、同システムで独自に認識、距離計測して衝突の危険性を当直者に知らせる機能を持つ、画期的なシステムです。

日本郵船株式会社及び株式会社MTIは、試作品1基を日本郵船グループ運航船に試験搭載し、2021年9月8日から検証を開始しました。詳しくは、下記プレスリリースをご覧ください。

船舶の新見張り支援システムを試験搭載 | 日本郵船株式会社 (nyk.com)

上記の企業リストは、ロジスティクス分野でイスラエル企業が提供する様々な技術の一端を示すに過ぎません。イスラエルには、この他にも多くの企業が存在します。

詳細は、イスラエル大使館経済部までお問い合わせください。


参照
Global Logistics Market Statistics 2021-2027
Israeli Smart Logistics Innovation Companies Add Precious Links to the Global Supply Chain