• 2022.10.14
  • 環境・水・エネルギー関連

世界情勢の不安定さが加速するなかで、地政学と経済(技術)が不可分になっている。中国の脅威に立ち向かう台湾の武器は、いうまでもなく最先端LSIの製造能力であり、これを失わないためにもアメリカは台湾を中国の脅威から守るだろう。その台湾企業も、日本の半導体製造装置やウエハー無しにはLSIの製造ができない。

中東も、かつてはパレスチナの大義によりアラブ陣営が一つにまとまっていたが、石油依存経済からの脱却を目指して、UAEやバーレーンはハイテク技術を持つイスラエルとの国交を正常化した。かつて、パレスチナ問題で関係が悪化していたトルコとイスラエルも、今年4年ぶりに外交関係を正常化した。エネルギー分野での両国の協力関係が不可欠になってきたからである。

複雑化する世界の中で自国のポジションを守るためにも、どのような技術を他国に先駆けて確立し戦略的に発展させるべきか、経済安全保障からの視点が重要である。日本は専制主義の国家のような軍事力を背景にした外交は行わないし、エネルギーを武器にした外交も行うことはできない。しかし、他国より優位に立てる技術は持っている。その意味でも、同様に技術立国であり、厳しい歴史・環境を生き抜いてきたイスラエルの動きは参考になる。