半導体大手の米インテルは15日、イスラエルの半導体受託生産会社(ファウンドリー)、タワーセミコンダクターを54億ドル(約6200億円)で買収すると発表した。アジア市場向けの半導体製造に強みをもつ同社を買収し、生産能力を増強して半導体需要の高まりに対応する。
インテルによる買収について、両社の取締役会が合意した。インテルはタワー社の株式を1株53ドルで取得する。評価額は米株式市場での14日終値を60%上回る。
タワー社はスイッチやセンサー用のアナログ半導体を主力とし、年間200万枚以上のウエハー製造能力をもつ。2014年にはパナソニックの国内半導体工場を買収した。インテルは1年後をめどにタワー社の買収手続きを完了し、21年に設立したインテル・ファウンドリー・サービス(IFS)に統合する。
インテルは1月に米オハイオ州に200億ドルを投じて半導体工場を建設する計画を発表するなど、生産能力の増強を急いでいる。同社のパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「タワー社の買収によって専門性と顧客基盤、地理的なカバー範囲を広げる」とコメントした。