TERA
TERA社は2003年にワイツマン科学研究所を起源として設立され、テラヘルツ(THz)技術の最前線で、同技術に対応したテーラーメイドの製品とソリューションの開発に取り組んでいます。同社は111件の特許出願ポートフォリオ(特許取得済み67件、出願中44件)を保有しており、その技術は食品、化粧品、製薬、半導体、エネルギーなど、さまざまな業界に及んでいます。
<技術概要>
電磁波スペクトルは、「THzギャップ」を除いては広範囲にわたって商業化されています(X線、Wi-Fi、マイクロ波など)。テラヘルツ波はこの未知の領域を占め、人類に新たな可能性を提供しています。人体に安全で、生物学的・化学的・気体化合物を極めて高い感度(10億分の1粒子まで)で検出できるため、さまざまな産業にとって貴重な存在となりえます。
<投資に関して>
TERA社はすでに430名以上の投資家から総額1億3,000万米ドルの出資を受けています。
同社は最近の製品の進歩に伴い、プレIPOラウンドを準備中であり、その後NASDAQ/NYSEでのIPO/DL/M&A/PIPEなどの資本イベントの可能性があります。同社の目標は、TeraEgg Beta-2(※1)の開発段階完了、および/または迅速呼気検査(※2)の規制当局の承認取得から、およそ6~12ヶ月後に資本イベントを開始することです。
※1 TeraEggは、TeraSystemと機械学習(ML)アルゴリズムに基づいて開発された、鶏卵加工・選別市場向けの非侵襲的鶏卵性別分類ソリューションです。現在、卵を産まない雄のひよこの大半は殺処分されていますが、TeraEggは、卵が産まれたら即座に性別で分類し、孵化前の卵の不妊も検出できます。TeraEggは2023年下半期に完成予定で、現在開発の最終段階(Beta-2およびスケールアップ)にあり、戦略パートナーとの間で、2023年から2033年の間に世界中で10,000台以上のTeraSystemsを生産・販売する契約を結んでいます。
※2 TERA Bioは、THzの感度を利用して、病気/ウイルス/細菌を検出する次世代の呼気診断およびスクリーニング検査を提供します。独自の分子スキャナーTeraSystem(BioStation内に設置)とTERAのAI/MLマスタークラシファイア(TMC)の組み合わせにより、化学試薬を一切使用することなく、呼気中に含まれるVOC粒子やその他の微小なエアロゾルを捕捉し、正確で信頼性の高い結果を得ることができます。
掲載日 2023年9月14日
担当商務官 樋口由紀